「乾癬は一生治らない」と言われた患者さんも多いです。やや重めのテーマを取り上げってみます。 まず、事実をお伝えします。現状では、乾癬を「完治」させうる治療法はありません。では、乾癬は絶対に治らないのか、というとそれも真実ではありません。乾癬は自然に寛解してしまう方がおられるからです。また、治療で寛解を得ることは可能です。「治癒」ではありませんが、皮疹を完全に消失させること (=寛解)は今や様々な治療法で、多くの患者さんに見られます。治ったとはどのような状態でしょうか。患者さんは皮膚の状態が完全に消失すれば、「治った」と言われるでしょう。また、そう思うでしょう。 しかし、乾癬は継続的な治療介入を行わないと「治った」状態を維持できません。だから医者は「治らない」と言ってしまうのです。その「治らない」という言葉はある意味嘘ではありません。でも、適切ではありません。現在の治療では、乾癬の病変を完全に消し去ることは可能だからです。再発はするかもしれないけど、患者さんにとっては「治った」と思うでしょう。医者がいう「乾癬は治らない」とは、 症状は改善できるが再発を繰り返す。通常、未治療の状態で「寛解」を長期間維持することは困難である。というニュアンスです。 患者さんが思う「乾癬は治らない」の最も極端なとらえ方は、どんな治療しても全く反応せず、皮膚は荒れた状態のまま一生を過ごしてしまう。というニュアンスと考えられます。医者が考えているニュアンスと大きくギャップがあります。乾癬に対する予備知識がない状態でこの説明を聞いてしまうと仰天してしまうでしょう。だから、「乾癬は一生治らない」と言ってはいけないのです。一度言われて傷ついた方も、治療をあきらめた方も、このニュアンスの違いは分かって欲しいです。そして病院に乾癬を消しに行ってほしいです。乾癬の治療を病院以外で行う事は不可能だからです。 ヒャダインさんの「晴れゆく道」の歌詞にもあります。「ゴールテープはなくても 晴れゆく道はある」です。 

Twitterでアンケートをとったところ、「乾癬は一生治らない」と言われた方がかなりの割合を占めています。患者さんたちからは様々なお声をいただきました。抜粋します。

酷い皮膚の状態で受診し、そこで治らないって言われると、ずっとこんな皮膚で生きていくんか…って思っちゃってました。 その言葉だけが心に刺さって脳に刻み込まれ…  他の説明してくれたと思うんですが覚えてなかったし… この言葉から乾癬患者さんの苦悩が始まることも多いのかもです。。

 20年前ですが、福岡の皮膚科にて、お爺ちゃん先生でしたが『厄介なものにかかったね。一生付き合う病だよ。』て言われました。結構凹んだ思い出です。 その後、良き先生にお会い出来て、そして患者会の方々にお会いし、元気を共有出来ました。 現在、生物学製剤を使用していますが、元気です。 

言われた~青春真っ只中の時に。あの当時は乾癬だって分かった瞬間に医者が見放した(笑)。ってか医者が諦めてた。今でこそ、言わないだろうけど、もし青春真っ只中の乾癬患者がいたとするなら、「一生治らない」は言わないでほしい。その言葉で私は死にたくなったから。

 根気強く戦っていく病気って言われましたね。

 私の場合は寛解も難しいと伺いました。 バイオが期間半ばで切れるのでステロイド併用してて険しい道程。皮膚科の先生に「だいぶ以前よりは薄くなってきたかな、と、思うんですけど、完治しますか?」と、話したら「完治しません。塗り薬で薄くなってるだけ」と、言われましたよ… 

一生治らないと直接的に言われたわけではありませんが ・根治が難しい ・特効薬はなく、対症療法がメイン ・かゆみをとるか、痛みをとるか、の選択肢がくる場合もある ・完治する、ではなく、ひどくならないように診ていく、というスタンス と説明うけました 

完治はしない ・でもおさえることはできる もう10年前ですが、初診で言われた事の要約はこんな感じでしたね 

point

乾癬は「一生治らない」疾患ではなく、今やコントロールは十分可能です。皮膚症状を完全に消すこともかなりの割合で可能になりました。ただし、現状で完治できる治療法はまだありません。「寛解」が現段階での乾癬患者さん達の目標です。

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