PRO(Patient-Reported Outcome)は、患者さん自身が答える評価のことです。たとえば、かゆみの強さ、眠れなさ、日常生活での困りごと、仕事や家事への影響、不安や恥ずかしさ、治療への満足度など、診察室で見える皮膚の状態だけでは十分に分からない部分を可視化できます。皮膚科では、見た目の重症度だけでなく、患者さんが実際にどのくらい困っているかを把握することがとても重要であり、PROはそのための大切な手段です。
生活の質、乾癬での困りごとを見るための指標
DLQI Dermatology life quality index
DLQI(皮膚科領域生活の質指標)
過去1週間の皮膚の状態が日常生活にどのくらい影響しているかをお聞きします。
各質問の当てはまる選択肢をタップ/クリックしてください。スコアが自動計算されます。
症状・感情
日常活動
余暇・社交
仕事・学業
人間関係
治療
— / 30点
― 全ての質問に回答してください ―10問すべてに回答するとスコアが表示されます。
影響なし 2〜5点
軽度の影響 6〜10点
中等度の影響 11〜20点
非常に大きな影響 21〜30点
極めて大きな影響
※ このツールは参考用です。確定診断や治療方針の変更は医師の診察に基づきます。
※「関係ない」を選択した場合は0点として計算されます。
Finlay AY, Khan GK. Dermatology Life Quality Index (DLQI): a simple practical measure for routine clinical use.
Clin Exp Dermatol. 1994;19(3):210-216. © Cardiff University. All rights reserved.
日常的な乾癬の症状の指標
PSSD = Psoriasis Symptoms and Signs Diary
乾癬の症状と、患者さん自身が見て分かる皮膚所見を評価する自己記入式のPROです。
評価する内容は大きく2つです。
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 症状 Symptoms | かゆみ、痛み、刺すような感じ、灼熱感、皮膚のつっぱり感 |
| 徴候 Signs | 乾燥、ひび割れ、鱗屑、落屑・皮むけ、赤み、出血 |
それぞれを0〜10の数値評価で記録します。PSSDには24時間版と7日間版があり、患者さんの主観的なつらさを拾える点が特徴です。質問票はライセンスが必要なためHPに掲載することはできません。
乾癬性関節炎のスクリーニング
J-EARP Japanese version of the early psoriatic arthritis screening
J-EARP(早期乾癬性関節炎スクリーニング)
乾癬の患者さんを対象に、乾癬性関節炎(PsA)の早期発見を目的としたスクリーニングツールです。
各質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。スコアが自動計算されます。
関節の痛み・炎症
腰・脊椎
手指・手首
足・踵・その他
— / 10点
― 全ての質問に回答してください ―10問すべてに回答するとスコアが表示されます。
スクリーニング陰性 3点以上
乾癬性関節炎の疑い
※ このツールは乾癬患者さんを対象としたスクリーニングです。確定診断には医師による診察・検査が必要です。
※「はい」1点・「いいえ」0点で採点します(10点満点)。
Maejima H et al. J Dermatol, 2016; 43(4): 385-388. © John Wiley & Sons, Inc.
乾癬では、皮疹だけでなく関節炎の早期発見も重要です。質問票の中には、関節の痛みやこわばり、指の腫れ、かかとの痛みなどを確認し、乾癬性関節炎の疑いを拾い上げるのに役立つものがあります。関節炎は早く気づいて対応することが重要なため、患者さんが自分の症状に気づくきっかけになるという点でも、PROの活用には意味があります。
当院がPRO質問票を活用する理由
当院では、乾癬の診療において、皮膚の状態だけでなく、患者さんの日常生活への影響も重視したいと考えています。PRO質問票を活用することで、かゆみ、睡眠、生活のしづらさ、心理的な負担、治療による変化などを定期的に確認し、より患者さんに寄り添った診療につなげていきます。数値だけではなく、「その方にとって何が一番つらいのか」を把握することが、よりよい治療選択の第一歩になるからです。このページを定期的に活用し、ご自身の現在の状態を把握することに役立てていただけると幸いです。