最近、テレビではコロナの話ばっかりでウンザリしてきませんか?
また、COVID-19から回復しても「後遺症」と言って煽るような報道も多いです。
コロナの後遺症に脱毛がおこる、という報道も多く、当院にも多数の問い合わせがあります。
COVID-19だけでなく、インフルエンザなど全身に症状が出る感染症のあとには脱毛症がおこることがあります。これは、「休止期脱毛」という脱毛症の一種であることが知られています。
これまでになされたCOVID-19後の休止期脱毛の報告
脱毛歴のなかった10例の女性に、COVID-19から回復後数週〜数ヶ月で休止期脱毛が見られた報告があります(Mieczkowska K et al: Int J Dermatol. 2020 Nov 23. doi: 10.1111/ijd.15313. Online ahead of print.)また、イタリアのAnconaからの報告では3例のCOVID−19後に発症した女性の休止期脱毛が報告されています(Rizzetto G et al: Dermatol Ther. 2020 Nov 14;e14547. doi: 10.1111/dth.14547. Online ahead of print.)
American Academy of Dermatology (米国皮膚科学会)からの COVID-19後の脱毛についての 解説 があります。
「熱が出たり病気をした後一時的な毛髪減少が見られることがあるのは普通」「ストレスも一時的な毛髪減少を起こしうる」「通常、髪の毛は自然に戻ってくる」ことを解説しています。
また、休止期脱毛は顕著な脱毛を引き起こしますが、それがあなたが経験するすべてです。発疹、頭皮のかゆみ、または灼熱感がある場合は、休止期脱毛症以外の何かが脱毛を引き起こしている可能性があります。そのときは皮膚科医に相談しましょう。と述べています。
https://www.aad.org/public/diseases/hair-loss/causes/covid-19?fbclid=IwAR0re_d_6OTwLvsa21USaVGgaVg50LKxT_5tXV9wVE9CKtod3mkKeCQw4lQ
休止期脱毛
休止期脱毛とは、毛髪が成長を止める「休止期」に急に入ることで脱毛がおこるものです。毛髪は「成長期」→「退行期」→「休止期」のサイクルを繰り返しています。ホルモンのバランス、大きなストレス、感染症などの体への大きなダメージ、抗がん剤などで毛髪が休止期に入ってしまうと抜けてしまいます。
休止期脱毛で一番良く知られているのが周産期の脱毛です。これは、出産後に妊娠前のホルモンの状態に急激に戻ることによって毛髪が休止期に入ることで起こります。通常、数ヶ月をかけて毛髪は自然に戻ります。
どうしたら良いの?
まず、一度お近くの皮膚科医に相談しましょう。脱毛症がどのようなタイプなのか、治療が必要なものなのかを相談する必要があります。可能性の高い休止期脱毛であれば、数ヶ月の時間をかけて回復してくることと思います。当院でも脱毛症についての相談を多数お受けしております。
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