2016年2月18日の旧ブログ記事を転載しました。
往診で近くまで来たので、福津市勝浦にあるイボ取り地蔵として知られている「六部堂」にお参りしてきました。
古来から「いぼ落ち六部様」といわれイボ取りに霊験があるのだそうです。早速、当院に来ている患者さんのイボがはやく取れるように祈願してきました。
イボは不思議な病気でHPV(ヒトパピローマウイルス)によって生じる感染症です。液体窒素による凍結療法が主な治療法ですが、すごく痛いため患者さんも苦痛を訴えます。そのため、早く治したいと思うわけですが、なかなかうまくいかない方もいます。
お堂の中にある石を持ち帰り、その石でイボをさするとイボ落ちに効力があるとのことです。イボがとれたらお礼参りとして石を2倍奉納することになっているそうです(間違いがあればご教示ください)。
皮膚科の教書のイボの項目にも「暗示療法」という治療法が記載されております。全国に古くからたくさんあるイボ取り地蔵が廃れずに存在していることからも分かるように、科学的根拠はないものの、何らかの効能はあるのでしょう。いずれにせよ、イボ取り地蔵にお参りしようという気持ちは「治したいという強い思い」から来るものなので、その思いが体の免疫反応に何らかのよい効果をもたらすのでしょう。
海のそばで波の音と鳥のさえずりだけが聞こえる気持ちの良い場所でした。また、お堂のそばには菜の花が満開でした。春も近づいています。今回、石は持ち帰りませんでしたが、患者さんのイボが取れたらまたお礼参りに行きたいと思います。