汗をかくとじんましんが出る、という方は意外におられると思います。運動したときやお風呂に入る時に、小さいポツポツとしたじんましんが出ます。痛みを伴うこともあり、お風呂に入るのが苦痛になる方も少なくありません。コリン性じんま疹といいます。こりん星の住民、というわけではありません。

リン性じんま疹のメカニズム


これが「コリン性じんましん」と呼ばれる理由は、アセチルコリンという物質が関わっているからです。通常汗をかくしくみですが、交感神経の刺激によって、アセチルコリンを介して汗腺に働きかけ、汗が出てきます。
コリン性じんま疹の患者さんの皮膚にアセチルコリンを注射すると、汗とともにじんましんが出てきます。
このメカニズムについては、2つのことが考えられています。

汗アレルギー 汗管がつまって汗が出なくなり、汗が真皮に漏れ出してその反応によりじんましんが出てきます。 汗中のマラセチアというカビがアレルゲンと考えられています。

減汗性  エクリン汗腺上皮細胞のアセチルコリン受容体が発現しなくなって汗が出なくなり、行き場を失ったアセチルコリンが周囲の肥満細胞に働くことで蕁麻疹が出るというメカニズムが考えられています。われわれのグループは以前、減汗性コリン性じんま疹の患者さんでは、何らかの原因でアセチルコリン受容体M3の発現が低下していることを発見しました。特発性後天性全身性無汗症(acquired idiopathic generalized anhidrosis; AIGA)という病態に合併することもあります。

Sawada Y, Nakamura M, Bito T, Fukamachi S, Kabashima R, Sugita K, Hino R, Tokura Y: Cholinergic Urticaria: Studies on the Muscarinic Cholinergic Receptor M3 in Anhidrotic and Hypohidrotic Skin. J Invest Dermatol 130, 2683-6, 2010 より

コリン性じんま疹の治療


治療は抗ヒスタミン薬を用いますが減汗性の場合はステロイドパルス療法を用い、通常入院で治療します。当院では入院はできませんので大学病院などの施設に紹介します。アトピー性皮膚炎に合併している場合などは特に皮膚炎の治療とスキンケアが大切です。また、汗をかくようなことを行って徐々に汗をかくリハビリをしていくことも改善に役立つことがあります。急に汗をかくと強い反応が出すぎるため医師と相談しながら行うことが重要です。