アトピー性皮膚炎の患者さんには目元にシワが見られます。これをDennie-Morgan’s foldと呼びます1)。花粉症の時期などに目をこすることなどで悪化する事が多く、化粧品会社などが乾燥シワと紹介していることも多いです。

アトピー性皮膚炎患者さんのまぶたの下にできるシワをDennie-Morgan’s foldと呼びます。

目元のシワが見つかりやすいアトピー性皮膚炎

目元のシワ Dennie-Mrogan’s fold は内因性アトピー性皮膚炎で多いと言われています2)

アトピー性皮膚炎は、主に皮膚のバリア機能が衰え、その結果生じるアレルギー反応などが主な要因なのは、よくご存じの事と思います。内因性アトピー性皮膚炎はニッケル、コバルトなどの金属に対するアレルギーが多いことも知られています3)。また、IgEが低い正常値であることも知られています。

金属アレルギーのある内因性アトピー性皮膚炎の患者さんの一部は、パッチテストを行い、反応があった金属が含まれた食事を制限することで症状が改善することがあります。

内因性アトピー性皮膚炎はpseudo-atopic dermatitis (偽性アトピー性皮膚炎??)や、atopiform dermatitis (アトピー様皮膚炎??)という診断名をつけたい、というグループもあります。 診断名に関しては国内外で議論されています。

目元のシワはどうしたらいいの?

このシワは皮膚炎によるシワですので、保湿だけでは治りません。ステロイド、タクロリムス、デルゴシチニブなどの抗炎症外用薬を必要とします。

目の周りにステロイド外用薬を塗るときには、緑内障の発生に注意しなければなりません。顔面へのミディアムクラスのステロイド 5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはならないとの報告4)があります。しかし、漫然と目の周りにステロイドを塗るべきではないため、改善してきたらタクロリムスやデルゴシチニブなど、眼圧に影響を与えない塗り薬を使っていくようにしましょう。

目元のシワが急に悪くなってきました。乾燥シワと思って保湿しても良くなりません。

そんなときは一度お近くの皮膚科を受診してみてください。皮膚炎をみつけ、治療することも大切な選択肢だと思います。

参考文献

1. Morgan DB. A suggestive sign of allergy. Arch Derm Syphilol 1948;57:1050.

2. Brenninkmeijer EE, Spuls PI, Legierse CM, Lin- deboom R, Smitt JH, Bos JD. Clinical differences between atopic and atopiform dermatitis. J Am Acad Dermatol 2008; 58: 407―14.

3. Yamaguchi H, Kabashima-Kubo R, Bito T, Sakabe J, Shimauchi T, Ito T, et al. High frequencies of positive nickel/cobalt patch tests and high sweat nickel concentration in patients with intrinsic atopic dermatitis. J Dermatol Sci 2013; 72: 240―5.

4. 有川 順子, 檜垣 祐子, 高村 悦子, 川島 眞. アトピー性皮膚炎患者の眼圧と顔面へのステロイド外用療法との関連性についての検討. 日本皮膚科学会雑誌 2002; 112: 1107-10.

この記事を書いた人

アトピー性皮膚炎の患者さんの診察をする時、目元に注目することも多いんです。目元のシワからアトピーがあることに気づくこともあります。

下のボタンよりSNSに記事をシェアしていただけると幸いです。