ジェネシスの解説です。本当に役立つ美肌治療に関して、色々と調べている方も多いと思います。しっかりとした情報を得て検討していただくため、ジェネシスをなるべく詳しく解説するページを作成することにしました。このページを通してあなたのお悩みが解決する手助けになれば嬉しく思います。

ジェネシスとは

ジェネシスとは、CUTERA社のXeoを用いた、ロングパルスNd:YAGレーザーによる治療です。

1064nmの波長のロングパルスYAGレーザーを皮膚から離して照射します。これを中空照射といいます。レーザーのエネルギーが真皮に作用してコラーゲンを増やす働きをします。また、皮膚の表面の古い角質を取り除くピーリングのような効果もあり、みずみずしい新しい肌に生まれ変わらせます。これらの結果、肌にハリを与えてキメを整え、小ジワ、ニキビ痕や毛穴の開きを改善させます。さらに、真皮の浅いところにある微小な血管にレーザーが作用することで、赤ら顔にも効果が期待できます。

ジェネシスはダウンタイムがほとんどないのも特徴で、治療後はそのままお化粧をして、すぐにお帰りいただくことが可能です。

cutera XEO genesis | limelight | ジェネシス | ライムライト

Cutera社のXeo. 右側にあるロングパルスNd:YAGレーザーを使ってジェネシスが行われます。

Xeoについての解説は下のリンクをご覧下さい。

ジェネシスの効果

ジェネシスは幅広い作用を発揮するため、下に示すような様々な効果を出すことが可能です。治療の効果は照射直後にお顔を触ってみるだけでもわかります。お肌の悩みは通常1つだけ、ということはありません。また、気づいていない問題点もあるかもしれません。そのため、施術後に、予想していなかった変化に驚かれる方も少なくありません。

肌質の改善
毛穴の開き改善
お肌の引き締め
赤みの軽減
くすみの改善
青クマの改善
小じわの改善

赤いニキビ痕の改善

54歳女性 2週間毎に6回治療
フルーエンス:13 J/cm2 パルス幅:0.3 ms 
スポットサイズ: 5 mm(*海外症例)

6回治療の合計費用 121,000円(税込み)

ジェネシスはこんな方におすすめ

お肌のキメを整えたい
小ジワが気になる
毛穴の黒ずみ、開きを治したい
ニキビ痕を改善したい
赤ら顔が気になる
お肌の全体的なコンディションを良くしたい
肌質改善をめざしたい
漠然としてるけど、何となく美肌になりたい
ダウンタイムがない施術をしたい

ジェネシスの副作用

ジェネシスは副作用が少なく、施術直後に普通にお化粧をしていただくことが可能です。しかし、まれに以下のような問題が生じることがあり注意が必要です。

赤みやほてり
施術後は、お肌が多少赤くなったり、ほてり感を感じることがあります。通常は数時間で落ち着いてきますが、気になる場合はアイスパックなどでクーリングをしてください。

ニキビ
ジェネシスには産毛の脱毛効果があります。施術の刺激をうけることで一時的にニキビができたり、悪化することがあります。

ジェネシスをお受けいただけない方・注意が必要な方

以下に示す条件に当てはまる方でジェネシスをご検討の方は、ご相談下さい。

① 妊娠している方、授乳中の方
② 強く日焼けした直後の方
③ 過去6ヶ月以内にアキュテインを服用した方、抗凝固剤を使用している方
④ ケロイド体質の方、傷の治りが悪い方
⑤ 膠原病、糖尿病、免疫不全、血液の凝固障害、悪性腫瘍の治療中の方
⑥ 日光過敏症の方、また同症を誘発する薬剤を使用中の方
金の糸を入れている方、金製剤を内服している方(過去にしていた方)
その他、医師が治療の適応がないと判断した場合

基本的にジェネシスは安全に行える施術ではありますが、妊娠、授乳中の方は施術をお断りしています。なお、ケロイド体質の方は施術可能であり、ケロイドの治療としてもジェネシスを使用することも可能です。とくに金の糸を入れた方やリウマチの治療などで金製剤を内服している方がレーザーを照射すると、chrysiasis(金皮症)という皮膚が青黒くなる変化が起こるため、禁忌としています。

ジェネシスの実際の流れ

ご予約時間が近づきましたら、スタッフがご案内いたします。洗顔してお肌のメイクを落としていただきます。お荷物は鍵がかかるロッカーをご用意していますので、お使い下さい。

ゴーグルで目の保護をして顔全体にレーザーを照射します。施術中、お顔のうぶ毛が焼けるためパチパチとした刺激がありますが、痛みはあまりありません。施術中に眠ってしまう方もおられます。

照射終了後、クーリングをします。終わりましたらすぐにお化粧をしていただくことが可能です。施術後、日焼け止めはしっかり行って下さい。

ジェネシスに関するよくある質問

Q. 痛みはありますか?
A. パチパチとした刺激感があり、温かいシャワーをあびているような感覚があります。痛みはないか、あってもわずかです。

Q. 肝斑がありますが、治療できますか?
A. 治療可能です。

Q. ダウンタイムはありますか?
A. ほぼありません。

Q. 敏感肌なのですが、施術可能ですか?
A. 治療が必要な皮膚炎がある際にそちらの治療を優先することはありえますが、通常は施術可能です。

Q. 何回治療すればよいですか?
A. 1回の施術で満足のいく結果を得られる方もおられます。2-4週間隔で5回程度回数を重ねていくと、より効果を実感しやすいです。回数に制限はありません。

Q. 治療の時間はどれくらいですか?
A. レーザーを照射している時間は20分ほどになります。

Q. お顔以外に施術することは可能ですか?
A. 首などの美肌治療や傷跡の改善などに使用することが可能です。ご相談下さい。

その他の質問は よくある質問 ページへご移動ください。

料金

22,000円(税込み) 全顔, 8000ショット トライアル料金16,500円(税込み)
全顔3回コース 59,400円
全顔5回コース 88,000円

ジェネシスの理論的背景・豆知識

ジェネシスは色々と美肌治療に役立つ施術でありますが、この機器をはじめとするロングパルスNd: YAGレーザーは多くの基礎研究がなされ、応用が試みられているので最近の研究を紹介します。

ロングパルスNd:YAGレーザーの対象疾患

ロングパルスNd:YAGレーザーは幅広い疾患への治療応用がされており、主にレーザーの熱作用による反応が作用メカニズムとされています。

ケロイド1)2) ケロイドの痛みに対してもレーザーで改善効果があることが示唆されています1)。

爪白癬3)4) 

イボ5)6) イボへの照射は大変痛いので通常は麻酔を併用して行います。

セルライト7) 

酒さ8) マウスでの研究ですが、LL-37という抗菌ペプチドを用いて作成した酒さのモデルマウスでは、タイプ1コラーゲン、TGF-β、MMP-1などの発現がレーザー照射によって増加することが示されています9)。レーザーを照射することでダメージを受けた真皮が正常化する、つまり真皮のリモデリングを通じて酒さの改善に役立っていることが示唆されています。

ニキビ10)11)

血管腫、静脈瘤など血管病変12)13)14) ジェネシスと照射方法は異なるのですが、血管腫の治療にもロングパルスNd:YAGレーザーは役立ちます。下のリンクをご参照下さい。

脱毛15)16)

ロングパルスNd:YAGレーザーとは

YAGレーザーってなんの意味かわからないと思います。YAGとはレーザーの発振用に用いる媒質で、イットリウムとアルミニウムの複合酸化物からなるガーネット結晶であり、ざくろ石ともよばれます。イットリウム(Y)・アルミニウム(A)・ガーネット(G)でYAGなのです。このレーザーに用いるものは、人工的にネオジウム(Nd)という元素が添加されているためNd:YAGレーザーと呼ばれています。医療のみならず、工業などでも幅広く用いられています。

ロングパルスとは、読んで字の如く、レーザーの照射時間、すなわちパルス幅が長い、ということを意味しています。Nd:YAGレーザーは 1064nmの近赤外線領域の波長をもつ光を発振します。

この1064nmという波長は、メラニン、オキシヘモグロビン、水のいずれにも吸収されます。そのため、照射した組織の周囲をまんべんなく加熱することができます。このことから、上記にあげたような様々な応用範囲があります。そして深くレーザーが届く性質があるため、皮膚の深いところにもエネルギーを到達させることができます。逆に組織の選択性が低いため、メラニンだけを破壊する、ということができません。そのため、シミにはあまり適さないレーザーです。

ジェネシスはなぜ効くの?

ジェネシスがなぜ効くか、ということを考える際、皮膚の構造とともに、どこに対して効果を発揮しているか、をお示ししたほうが理解しやすいと思います。

①角質への効果

古い角質の蒸散やうぶ毛の除去を行います。そのため、照射中は少しパチパチとした音がなります。また、毛穴の詰まりもある程度除去します。その結果、施術後は表面がツルッとした質感になります。この事実をレーザーピーリング効果と呼んでいる人もいます。

②真皮への効果

真皮の熱刺激により、コラーゲンの再生を促します。また、レーザー光はヘモグロビンにも吸収されるため、真皮の血管拡張を加熱収縮させ、赤ら顔の改善に役立ちます。

③広い範囲に拡散

レーザー光を広い範囲に何度も照射することで、お顔全体に熱エネルギーが拡散します。その結果全体的にハリや引き締めの効果が出てきます。

1064nm という光は近赤外線に分類されます。レーザー以外にも近赤外光は様々な医療応用をされております。血流促進、コラーゲンの再生、創傷治癒などまだまだ発展が期待できる領域です。ジェネシスも登場してからかなりの日数が経過した治療ですが、もっと応用できる事は多いのでは、と思っております。

参考文献

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