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2026.04.23

光線過敏症対策、日焼け止めの選び方

コスメ / スキンケア

紫外線による皮膚ダメージ

日焼け

日に当たって起こる問題は、いくつかありますが、誰でも起こりうる事として大切なのはいわゆる「日焼け」です。そのうち、サンバーンは日に当たって赤くなる反応で、紫外線の中でもUVBが大きな役割を果たします。ひどくなるとヤケドと同じように赤く腫れ上がったり水疱などを生じます。あまりにひどい日焼けをしてしまうと全身のヤケドと同じように入院が必要になるケースもあります。また、日焼け後数日してから色が濃くなっていくサンタンも生じます。これはUVA, UVBが関連します。

光老化

長期的な問題としては皮膚の「光老化」があります。シミ、シワ、たるみなどとともに、日光角化症、皮膚癌などの病気の原因にもなります。お年寄りのお肌を例にとって考えてみます。お年寄りの頬や目尻などには深いシワがあります。その一方、あまり日に当たらないお腹などにはそのような深いシワはそれほど目立ちません。加齢による自然老化と光老化の差はそこにあります。

光線過敏症の方に必要な対策


 光線過敏症の方は通常だったら日焼けしない程度の紫外線量でも日焼け反応を起こしてしまう方がおられる一方、日焼け止めや湿布などを使用した部位が赤くなってしまう光接触皮膚炎という問題も考えなければなりません。光線過敏症の方は原因を探ることが大切です。光線過敏症を起こす薬剤、サプリメント、食品などを摂取していないかどうかはまず調べるべきです。膠原病などの光線過敏症をおこす全身疾患が隠れていないかも場合により調べる必要があります。光接触皮膚炎は湿布が一番有名ですが、紫外線吸収剤含有のサンスクリーンで光接触皮膚炎を起こすことがありますので、使用しているサンスクリーンにどのような成分が入っているかはチェックしましょう。

紫外線対策

 日焼け、光老化対策に大きな違いはありません。環境省作成の「紫外線環境保健マニュアル2015」には、以下のように推奨されています。

紫外線の強い時間帯を避ける
日陰を利用する
日傘を使う、帽子をかぶる
衣服で覆う
サングラスをかける
サンスクリーンを上手につかう

サンスクリーンの基礎知識

サンスクリーンを使う際に知っておいた方がいいこととしては、SPF (Sun Protection Factor)と PA (Protection grade of UV-A)です。 SPFは主にどれだけUVBを防ぐか、という指標です。紫外線を当てて、翌日わずかに赤くなる反応が出る最小の量を最小紅斑量(MED: minimal erythemal dose)といいますが、サンスクリーンを塗ることでそのMEDが塗ってないときの何倍延長するか、という値がSPFになります。ということは、SPF50とは20分で日焼けする人にサンスクリーンをつけると20×50 = 1000 分となります。16 時間以上焼く人はそういないですよね。また、PAはUVAを当てた後に皮膚が黒化する反応を指標として、サンスクリーンでどの程度防げるか、ということを表しています。+から++++までの4段階に分けられています。

サンスクリーンの使い方ですが、大切なことは適材適所、そしてこまめな塗り直しです。買い物に行くくらいの時であれば、SPF, PAは高くなくても大丈夫ですが、海水浴や炎天下でのスポーツをされる方はSPF, PAが高いものの方が良いでしょう。光線過敏症の方は日常生活でもSPF, PAが高いものを使った方がよいと考えられています。また、サンスクリーンは徐々に汗などで落ちていきますので、2-3時間おきに塗り直すことが大切です。お子さんにもサンスクリーンは大切です。安全面を考えると紫外線吸収剤不使用のものを使用しましょう。ノンケミカルと表示されていることもあります。当院で扱っている紫外線吸収剤不使用のサンスクリーンではNOVの商品が人気です。界面活性剤が配合されていない低刺激な製品、beautiful skinのノンUVミルクもあります。

SPF ── UVB(日焼け・炎症)への防御指標

SPF(Sun Protection Factor)は、肌が赤くなる原因となるUVBをどれだけカットできるかを示します。数値が高いほどカット率が高くなりますが、SPF30→50の差はわずか1.3%です。

カット(遮断)透過(肌に届くUVB)
SPF 15
93.3% カット
6.7%
透過
SPF 30
96.7% カット
3.3%
透過
SPF 50
98.0% カット
2.0%
透過
SPF50+
98%以上 カット
≤2%
透過
SPF値UVBカット率推奨シーン
SPF 15〜2093〜95%室内中心の日常・短時間外出
SPF 30〜3596〜97%通勤・散歩・日常的な屋外活動
SPF 5098.0%長時間の屋外活動・スポーツ・旅行
SPF 50+98%以上海・山・スキー場など紫外線が非常に強い環境
皮膚科医からのポイント:SPF30とSPF50の差はカット率で約1.3%。過度に高いSPFを追うより、塗り直しの回数のほうが実際の防御力に大きく影響します。2〜3時間ごとに重ね塗りする習慣が重要です。

PA ── UVA(シミ・老化)への防御指標

PA(Protection Grade of UVA)は、シミ・しわ・たるみの原因となるUVAの防御力を示す日本独自の指標です。+の数が多いほど防御力が高く、最高はPA++++です。

PA+
効果あり
室内中心の
日常生活
PA++
かなり
効果あり
通勤・散歩
日常の外出
PA+++
非常に
効果あり
長時間屋外
スポーツ
PA++++
極めて高い
防御効果
海・山・
マリンスポーツ
皮膚科医からのポイント:UVAはガラスを透過し、曇りの日でも地表の50〜80%が届きます。シミ・光老化予防には室内でもPA++以上を日常使いすることをお勧めします。美白ケアを行っている方はPA+++以上が理想的です。

耐水性── 2段階の基準があります

「耐水性」と「強い耐水性」は厚生労働省が定めた試験基準で区別されます。水や汗に強い製品を選ぶ際の目安にしてください。

耐水性
💧💧💧💧
40
水浴後もSPF値を維持
20分間の水浴を2回繰り返した後も、表記のSPF値を維持することが確認された製品。
プール・軽いスポーツ向き。
強い耐水性
💧💧💧💧
80
水浴後もSPF値を維持
20分間の水浴を4回繰り返した後も、表記のSPF値を維持することが確認された製品。
海水浴・マリンスポーツ・長時間の屋外発汗に。
皮膚科医からのポイント:耐水性があってもタオルで拭くと落ちます。また長時間水に入ると徐々に落ちるため、2〜3時間ごとの塗り直しが必要です。落とすときはウォッシャブルタイプも含め石けん・洗顔料でしっかり洗い流してください(落とし残しは毛穴詰まり・炎症の原因になります)。

シーンごとの日焼け止めの選び方

散歩や買い物などの日常生活でも日焼け止めは必要ですが、SPF 10程度でも十分です。ちゃんと塗れている状態であれば、10倍日焼けしにくい状態になっていますのでちょっとした外出なら大丈夫です。

UV耐水性

UV耐水性とは、日焼け止めが水に触れたあとでも、どのくらい紫外線防御効果を保てるかを示す表示です。日本では、ISO 18861 をもとにした日本化粧品工業会の自主基準で運用されており、2022年12月1日から「UV耐水性★」「UV耐水性★★」の表示が使われています。

大事なのは、これは汗への強さを示す表示ではないという点です。あくまで、海やプール、水遊びなどで肌の外側から水がかかる場面で、日焼け止め効果がどれだけ維持されるかを表します。一方、ウォータープルーフは、一般には汗・涙・水で落ちにくい使用感や化粧もちを連想させる表現ですが、少なくとも日本の「UV耐水性★ / ★★」のように、紫外線防御効果の耐水性を統一基準で段階表示したものではありません。日本化粧品工業会も、「ウォータープルーフ」等を併記する場合は、UV耐水性とは別の基準があるかのような誤解を与えないようにとしています。

UV耐水性=「水にぬれた後でもUVカット性能がどの程度維持されるか」
ウォータープルーフ=「落ちにくさのイメージを伝える言葉」

飲む日焼け止めの効果は?

飲む日焼け止めを当院でも扱っています。国産のU.Vlockというサプリメントです。1日1回飲むことで日焼け後の赤くなる反応が減少するという試験結果があり、有効性はある程度示されています。しかし、日常の紫外線量を考えるとサンスクリーンは必須であり、サンスクリーンの働きを補助的に高めるもの、と考えた方がよいでしょう。

紫外線の良いところ

一方、紫外線の良いところは、ある特殊な波長を使えば乾癬、アトピー性皮膚炎、白斑などの治療に有効であるという点、ビタミンDを生体内で合成するのに役立つ、という点にあります。日本人は多くの方がビタミンD不足であることがわかっています。その観点からは日に当たることも絶対悪ではありません。もし、日に当たるなら朝夕の紫外線量が少ないときがオススメです。

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