くちびるの乾燥
アトピー性皮膚炎を患っている方で、「唇が乾燥する」とおっしゃる方は多いです。それは口唇炎の症状なのですが、リップなどを長い期間使って治ってこない方も多いです。
「唇が乾燥する」状態の方は、唇をなめるクセがあること多いです。お子さんに多いのですが、唇やその周りをずっとなめ回すことを繰り返していると、周囲が輪を描くように赤くなります。これを舌なめずり皮膚炎といいます。これが長期間続くとカールおじさんのような色素沈着を残すこともあります。
くちびるのシミ
唇が長い期間荒れている方は、点々とシミができてきます。labial melanotic maculesといわれたり、口唇メラノーシスといわれたりします。アジア人に多いとされています1。アトピー性皮膚炎の発症時期が早い人に多い傾向、アトピー性皮膚炎があっても IgE が高い患者さんに唇の色素沈着が多い傾向が示されています2。
口唇トラブルへの治療の仕方
口唇炎の治療
口唇炎に関してはステロイド外用剤を中心に治療していきます。ワセリンを中心とした保湿も有効です。乾燥した感覚がある間は改善するまでステロイド外用剤を使ってみて下さい。しっかり治った良い状態をワセリンやご自身に合ったリップでキープすることも大切です。
くちびるのシミの治し方
口唇の色素沈着には Qスイッチルビーレーザーを使用します。当院でも多くの方に実施しています。痛み止めのクリームを塗り、レーザーを照射します。治療の所要時間は数分で、1回の治療で終了することが多いです。
参考文献
- Aljasser MI, Lam J, Lui H, Kalia S. Labial melanotic macules in atopic dermatitis: An observational study. J Dermatol Dermatol Surg 2019;23:86-9.
- Kang IH, Jeong KH, Lee MH, Shin MK. Atopic labial pigmentation: A new diagnostic feature in Asian patients with atopic dermatitis. Int J Dermatol 2018;57:817‑21.
この記事を書いた人
くちびるのトラブルで困っている方は、リップ以外の選択肢があることを知ってほしいです。
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