乾癬性関節炎(関節症性乾癬)に適応があります。尋常性乾癬には現在のところ適応が有りません。JAK(ヤヌスキナーゼ)阻害薬という新しいメカニズムの治療薬です。もともと関節リウマチの治療薬として使用されていました。皮膚にも効果があります。15 mg 錠を1日1回内服します。状態に応じて7.5 mg 錠に減量が可能です。なお、28日分の薬価が139160円です。3割負担の方で41750円かかります。
帯状疱疹のリスクが高まることが知られていますので、この治療を検討されている方は事前に帯状疱疹ワクチンの接種を強くおすすめしています。深部静脈血栓症、肺塞栓症といった血栓のリスクが高まります。そのための注意が必要になります。また、生物学的製剤と同様に結核を事前に検査する必要があります。
SELECT-PsA試験において12週時にACR 20を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の36%に対し、ウパダシチニブ15 mg群で71%、30 mg群では79%でした(p<0.0001)。アダリムマブと比較した12週時のACR 20に関しては、ウパダシチニブ15mg, 30mg群で非劣性が示され、30 mg群で優越性が確認されました。12週時にACR 50を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の13%に対し、ウパダシチニブ15 mg群で38%、30 mg群で52%でした(p<0.0001)。さらに、12週時にACR 70を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の2%に対し、ウパダシチニブ15 mg群で16%、30 mg群では25%でした(p<0.0001)。
ウパダシチニブ群では、さらに16 週時の皮膚症状の改善がみられ、乾癬面積および重症度指数で75%の改善(PASI 75)を達成した患者さんの割合は、プラセボ群の21%に対し、ウパダシチニブ15 mg群で63%、30 mg群では62%でした(p<0.0001)。
当院は生物学的製剤の承認施設ですので、処方は可能です。しかし、処方までに事前の検査などが必要になるため、基幹病院への紹介が一度必要になります。