一度発症すると痒くて痒くてたまらないじんましん。
突然痒くなって目が覚めたり、時には、痒すぎて他のことが手につかなくなるほどつらい思いを経験されている方もいらっしゃると思います。
我慢せずに、不安なことはわたしたちにお気軽にご相談ください。
UCT(Urticaria Control Test)慢性じんましんコントロール評価
過去4週間の状態についてお答えください。各質問の選択肢をクリックするとスコアが自動計算されます。
スコア12点以上でじんましんが「良好にコントロールされている」状態の目安です。
じんましんの身体的症状(かゆみ・灼熱感・痛みなど)はどの程度つらかったですか?
(過去4週間)
じんましんによって、日常生活・仕事・社会生活はどの程度妨げられましたか?
(過去4週間)
じんましんの症状(膨疹・血管性浮腫)はどのくらいの頻度で現れましたか?
(過去4週間)
全体的に、じんましんはどの程度コントロールできていましたか?
(過去4週間)
■ 0〜11点:じんましんがコントロール不良の状態 ■ 12〜16点:じんましんが良好にコントロールされている状態
慢性じんましんの患者さんが陥りがちな困りごと
1. 原因探しが終わらなくなる
慢性じんましんの患者さんが最も陥りやすいのは、
「何が原因なのか」を探し続けてしまうことです。
「昨日食べたものが悪かったのかな」
「小麦?卵?乳製品?」
「洗剤を変えたから?」
「ストレス?疲れ?」
「何かのアレルギー?」
このように、毎日の生活の中で原因候補を探し続けると、生活そのものが不安になります。
もちろん、急性じんましんでは食物・薬剤・感染などがきっかけになることがあります。
しかし、慢性じんましんでは、毎回はっきりした原因が見つからないことも多く、
原因探しが患者さんの負担になってしまうことがあります。
2. アレルギー検査に期待しすぎてしまう
「血液検査をすれば原因がわかるはず」と考える方は多いです。
しかし慢性じんましんでは、
アレルギー検査が陽性でも、それがじんましんの原因とは限りません。
たとえば、検査で何かの物質が陽性になっても、
それは「その物質に感作されている可能性」を示すものであって、
今出ているじんましんの原因だと確定するものではありません。
そのため、検査結果だけを見て、
「あれも食べられない」
「これも避けないといけない」
と考えすぎると、かえって生活の質が下がってしまうことがあります。
3. 「原因不明」と言われて不安になる
慢性じんましんでは、検査をしても明確な原因が見つからないことがあります。
そのときに患者さんは、
「原因がわからないなんて怖い」
「何か重大な病気が隠れているのでは」
「このまま治らないのでは」
と不安になりやすいです。
ただし、ここで大事なのは、
原因不明=体に何も起きていない、ではないということです。
慢性じんましんでは、
皮膚のマスト細胞が活性化しやすくなっていたり、
自己免疫的な仕組みが関わっていたりすることがあります。
つまり、
原因が見つからないのではなく、一般的なアレルギー検査では見えにくい仕組みで起きていることがある
と考えると、少し理解しやすくなります。

じんましんはどんな症状なの?
・皮膚の一部に蚊に刺されたような盛り上がったブツブツができます。医学的には限局的な浮腫(膨疹)といいます。
・通常、かなりの痒みがあります。
・皮膚または粘膜の深いところにできた蕁麻疹を血管性浮腫と呼び、目の周りや口唇に出てきます。
じんましんの分類
特発性蕁麻疹
特に原因がはっきりしない蕁麻疹で、最も頻度が高いものです。内服薬などの適切な治療で軽快していきます。
急性蕁麻疹
特にお子さんでは、上気道感染などに伴って起こることが多いです。
慢性蕁麻疹
発症してから6週間以上経過するじんましんです。夕方から夜間に症状が出るなど、決まった時間に症状が出ることもよくあります。なぜじんましんが出るか、なぜ決まった時間に出るか、など病態の全体像を説明できるような原因の特定は不可能です。
刺激誘発性の蕁麻疹
特定の刺激ないし条件が加わった時に症状が誘発されるじんましんです。1 日のうち何度も出没することや、数日~数カ月間現れないこともあります。性状はじんましんの種類により異なりますが、遅延性圧蕁麻疹を除き、基本的に個々の皮疹は数十分から数時間以内には消退します。
アレルギー性の蕁麻疹
食べ物、薬品、昆虫の毒素、植物などの抗原(アレルゲン)に曝露されることで生じます。特定の抗原に対するIgE抗体を介した即時型アレルギー反応です。通常は抗原曝露後数分〜2時間程度で起こります。プリックテスト、スクラッチテストといった皮膚を用いた検査、血液検査などで原因にあたりをつけ、原因の確定には負荷試験などを行います。
食物依存性運動誘発アナフィラキシー FDEIA
特定の食べ物(小麦、エビなどが多いです)を食べて2-3時間以内に運動負荷がかかることで生じるアナフィラキシー反応です。症状は非ステロイド系抗炎症薬を使うことで誘発されやすくなります。そのような薬剤と原因抗原の摂取のみで症状が出ることもあります。
非アレルギー性の蕁麻疹
ヒスタミンを多く含む食べ物の摂取でじんましんが起こることがあります。鮮度の落ちたサバ、イワシなどの青魚が有名で、仮性アレルゲンと呼ばれることがあります。
アスピリン不耐症
非ステロイド系抗炎症薬の内服、注射、湿布などを使用したことにより誘発されるじんましんです。これは外来物質による非アレルギー性のじんましんの一種ですが、化学構造が一致しない非ステロイド系抗炎症薬や人工着色料、防腐剤などの化学物質にも過敏性を示すことが多いです。慢性蕁麻疹、食物依存性運動誘発アナフィラキシーの症状を後押しすることがあります。
物理性蕁麻疹
機械性蕁麻疹、寒冷蕁麻疹、日光蕁麻疹、温熱蕁麻疹、遅延性圧蕁麻疹、水蕁麻疹などが知られています。この中でも、寒冷蕁麻疹は、局所性、全身性があります。局所性は冷やされた場所でじんましんが出てくるもの、全身性は急に全身が冷やされた時に出てくる蕁麻疹です。
コリン性蕁麻疹
入浴、運動、緊張など汗が出るような刺激でじんましんが出ます。下のページに詳しく解説しています。
原因は?
・じんましんは、食べ物などのアレルギーが関連して発症することもあります。
しかし、ほとんどのじんましんは、特定の原因がない「特発性」のものが大半を占めています。特に、慢性じんましんは、血液検査で原因が見つかることがありません。
<アレルギー性>
⇒食物(小麦など)や薬剤など。また、摂取後すぐに運動することで、じんましんだけでなく、呼吸困難などのアナフィラキシー症状を起こす方がいます(食物依存性運動誘発性アナフィラキシー)。
<非アレルギー性>
⇒物理的刺激(こする、圧迫、寒冷、日光、温熱など)、疲労、ストレスなど。
どんな検査をすればよいの?
まず、大切なのはやみくもにアレルギー検査をしないことです。アレルギー検査を行うことで原因がわかることは殆どありません。まず、検査する前にじんましんがどのような背景で起こるか、問診が最も大切になります。
治療方法は?
・治療原因が分かる場合は原因の除去、ないし原因となる環境や刺激を避けることが大切です。原因を取り除いても避けがたいこともあり、飲み薬を使うことが一般的です。また、よく見られるじんましんは原因がわからないため、抗ヒスタミン薬を中心とした飲み薬を使います。
・治りにくいじんましんは、オマリズマブ(ゾレア®)という注射薬を使うことがあります。当院でもゾレアの治療は可能です。