当院では、帯状疱疹ワクチンを接種しています。50歳以上で、任意接種です。2種類のワクチンがあります。過去に帯状疱疹になったことのある方も接種可能です。帯状疱疹はみずぼうそうのウイルス、すなわち水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化により起こります。非常に強い痛みを伴うことが特徴です。皮膚の症状が治った後も神経痛が長引くこともあるため、ワクチンによる予防はとても大切です。

帯状疱疹とは

ワクチンの種類

2016年から水痘ワクチンが50歳以上の帯状疱疹の予防の適応を取得しました。また、効果の高いサブユニットワクチンであるシングリックスも使用できるようになり、多くの方に役立てるようになりました。

18歳以上で、免疫抑制をする治療などハイリスクな方はシングリックスが適応になりました。

がんの治療中で免疫が落ちている方、移植後、乾癬、アトピー性皮膚炎、リウマチ、炎症性腸疾患などで生物学的製剤など免疫を落とす薬を使用されている方はハイリスクとしてシングリックスが使用できます。特にJAK阻害薬の内服をしておられる方は帯状疱疹のリスクが高くなりますので、18歳以上であればシングリックスを使うことが推奨されます。

公費負担の対象になる方

対象者は年度によって異なります。

令和7年度に65歳を迎える人

65歳を迎える人昭和35年4月2日生~昭和36年4月1日生の人

経過措置で対象となる人

(1)令和7年度から5年間の経過措置として、その年度に70、75、80、85、90、95、100 歳になる方も対象となります。また、令和7年度に限り、100 歳以上の方は全員対象となります。

70歳を迎える人昭和30年4月2日生~昭和31年4月1日生の人
75歳を迎える人昭和25年4月2日生~昭和26年4月1日生の人
80歳を迎える人昭和20年4月2日生~昭和21年4月1日生の人
85歳を迎える人昭和15年4月2日生~昭和16年4月1日生の人
90歳を迎える人昭和10年4月2日生~昭和11年4月1日生の人
95歳を迎える人昭和 5年4月2日生~昭和 6年4月1日生の人
100歳以上を迎える人大正15年4月1日以前生の人

(2)60歳以上65歳未満で、ヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能障害(1級)を有する人(※身体障害者手帳1級もしくは医師の診断書が必要)

※(1)の年度年齢と異なり(2)は実年齢です

必要な準備

  1. 住所、氏名、生年月日が分かるもの(マイナンバーカード、運転免許証等本人確認書類)
  2. 接種費用 (免除を受ける人は、証明書類)自己負担額は自治体によって異なりますのでご注意ください。
  3. 身体障害者手帳(該当する人のみ)
  4. 在庫確保する必要があるため、事前にお電話での予約が必要です。
  5. 福津市、宗像市以外にお住まいの方は事前にお住まいの自治体にお問い合わせください。

どちらのワクチンを使う?

50歳以上の方の、ワクチン選択に役立つフローチャートです。ご予約はお電話またはページ下のお問い合わせフォームからお願い致します。

水痘ワクチンは生ワクチンのため妊婦、非完解状態の血液がん患者、造血幹細胞移植後、固形がんで3ヶ月以内に化学療法施行の患者、免疫抑制療法施行中(ステロイド、シクロスポリン、タクロリムス、アザチオプリン等を投与されている場合)の患者、生物学的製剤使用中の患者、HIV患者などは禁忌になっています。免疫抑制状態の患者さんたちは帯状疱疹のリスクが逆に高くなるにもかかわらず、ワクチンが使えないというジレンマが有りました。

生物学的製剤を使用できる当院では、このようなリスクを減らすためにシングリックスも導入することにいたしました。成分にアレルギーがある方以外には禁忌がありません。高額で痛いのですが、有効性は非常に高く、2回の接種による帯状疱疹の発症予防効果は、50歳以上で97.2%、70歳以上で89.8%です。また帯状疱疹後神経痛の減少率は、50歳以上で100%、70歳以上で85.5%と、いずれも高い効果が認められています1)2)。副反応として、注射部位の痛みや赤みが3日ほど続くことが知られています。詳しい説明は、下の表をご覧下さい。

帯状疱疹ワクチンは、医師が特に必要と認めた場合に、インフルエンザワクチンや新型コロナワクチン等と同時接種が可能です。

生ワクチンについては、他の生ワクチンとは 27 日以上の間隔を置いて 接種してください。

ワクチンが多くの人に行き渡り、帯状疱疹で苦しむ方が一人でも減ることを願っています。

文献1-4および各薬剤の添付文書から表を作成

予防接種については予約制になります。お電話またはお問い合わせフォームからご連絡下さい。なお、シングリックスは水痘の一次予防には適応が有りません。

  

参考文献

1)Lal H, et al. NEJM. 372(22), 2087-2096, 2015 

2)Cunningham AL, et al. NEJM. 375(11), 1019-1032, 2016 

3)Oxman MN, et al. NEJM. 352(22), 2278, 2005

4)Oxman MN, et al. J Infect Dis. 197(Suppl 2) S228, 2008