8月26日、JCOMチャンネルのジモト応援!福岡つながるNewsに出演させていただきました。テーマはマスクニキビについて。マスクをする機会が圧倒的に増え、ニキビの患者さんが急増しています。それ以外にもマスクによってアトピーの悪化、肝斑の悪化など多数の問題があります。インタビューの内容の抜粋と、インタビューで触れにくかったことの補足をしたいと思います。マスクニキビについてはこれ以外にも取材を数多くいただいています。

視聴は こちら からのリンクで ど・ろーかる というアプリをダウンロードするとご覧いただけます。

サカイスト 伝ぺー さんの巧みな進行であっという間にインタビューが進みました。
  

ニキビは増えている?


昨年と比べると当院には倍くらいのニキビ患者さんが来られています。


なぜニキビが増えた?

マスクの影響は大きいです。今まではこの季節にマスクをすることはあまりありませんでしたが、今年はコロナの影響でマスクをみなさんがつけています。マスクで顔の蒸れや、皮脂の増加がおこるとニキビができやすくなります。また、着脱による刺激やマスクを外した後の急激な乾燥も悪化に繋がります。

また、2または4時間マスクを着用することで、

・皮脂分泌量

・角質水分量

・TEWL(経表皮水分蒸散量):これが高くなると皮膚のバリアが低下している、という指標

・pH

・紅斑

が増加しています。また、皮脂分泌量は温度が1°C上がると10%上がり、マスク内だけでなく顔全体の皮脂量が増加するとの結果が得られています。

Hua W, et al., Contact Dermatitis,2020

予防対策は?

洗顔は1日2回が推奨されています。また、優しく擦らないような洗顔が良いです。バリア機能が落ちているため保湿は大切ですが、べったりした油脂性の保湿は逆にニキビを悪化させることがあるので気をつけましょう。メイクは、ニキビを隠すようにファンデーションを厚く塗るのはあまりよろしくありません。ノンコメドジェニックの負担が少ないものを薄めに使い、ポイントメイクを上手に使ってニキビから印象を散らすのも有効です。

ニキビができてしまったら?

皮膚科に行きましょう!軽症な方は市販薬でも治せることはあるかもしれませんが、やはり大切なのはこの先できてくるニキビを予防する、また、ニキビが治りにくかった事によって起こってくるニキビ跡を予防する、ということが大切だからです。ニキビの塗り薬は、ニキビの本質である毛穴の詰まり、すなわち面皰を治療できます。そのため、皮膚科でしっかりとした治療をすることが大切です。

メッセージ

ニキビで皮膚科に行く人は、諸外国に比べると日本人はかなり少ないことが分かっています。ニキビは皮膚を中心とした慢性炎症性疾患であり、適切な治療をしないと瘢痕(ニキビ跡)を残してしまいます。
ニキビをしっかり治し、跡をつくらずにキレイな肌で過ごして欲しいなと願っています。