アトピー性皮膚炎の治療にも出口戦略が重要です。治療の目標は、症状がないか、あっても軽微で、日常生活に支障がなく、薬物療法もあまり必要としない状態に到達し、それを維持することです。そこまで到達できないときでも、できる限り軽い状態を維持することを目指していきます。「塗ってるときはいいけど、塗らないとすぐに出てくる」のはよくないです。
治療方法の3本柱は薬物療法、スキンケア、悪化因子の検索と対策です。

薬物療法 

塗り薬:ステロイド外用薬、タクロリムス外用薬、デルゴシチニブ外用薬(2020/6/24から)を用います。

飲み薬:抗ヒスタミン薬をかゆみ止めとして使うことが多いです。重症例にシクロスポリンを用います。長期間使用で血圧上昇や腎臓への負担がかかりますので短期間の使用が望ましいです。

光線療法:当院ではナローバンドUVB照射装置やエキシマランプを用いて光線療法を行っています。痒みの強い部分には特に効果を発揮してくれます。ステロイドなど塗り薬の使用量を減らすことにも役立ちます。

注射薬(生物学的製剤):デュピルマブ(デュピクセント)が使用できます。当院は生物学的製剤を使用できますので、他の皮膚科医院や病院皮膚科から治りにくいアトピー性皮膚炎の患者さんをよくご紹介いただきます。痒みや皮膚症状はかなりコントロールしやすくなりました。

塗り薬はFTU (finger tip unit)を考えて使用します。やさしく、すりこまないように塗るのが大切です。

スキンケア

 皮膚のバリア機能および保湿因子を回復させることが目的です。当院では、スキンケアを重視しており、指導にもかなりのエネルギーを割いています。出生直後から保湿外用剤によるスキンケアを行うことは、アトピー性皮膚炎の発症リスクを下げることも知られています(Horimukai K et al: J Allergy Clin Immunol 2014)